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北条で百年続く伝統製法「井上糀店」

つくばスタイル特派員 TAKAKO Blog 
2021年10月25日

皆さん、こんにちは!TAKAKOです。

 

おいしいごはんを作り、皆で「いただきます」と食べること。それが食欲の秋の最高の幸せだと思う特派員なのですが、日々手の込んだ料理を作るというのは楽なことではありません( ;∀;) 

でも、つくばに長く暮らしていて発見したことは、新鮮な食材で、自信を持っておいしいと思える調味料を使えば、焼くだけ・煮るだけでもおいしいごはんができるということ。スーパーに行けば世界各国の調味料が手に入りますが、まずは日本の伝統調味料、基本の“さしすせそ”から自分のイチオシをそろえてみるのがよいかもしれませんね。

 

 

やってきたのは、筑波山麓の町「北条」。

特派員がおすすめする“さしすせそ”のそ、味噌は、この町で100年以上に渡って真摯に米糀(こうじ)を作り続けてきた「井上糀店」の味噌です。

 

お店は、一見すると店舗に見えませんが、駐車場に掲げられた一枚板の看板が目印。

屋号の上に2つの峰を持つ筑波山が描かれているのは、筑波山麓で生まれた店であること、そして、筑波山麓の恵みを100年以上前から使い続けているからなんですね。

 

 

特派員が初めて井上糀店の味噌に出合ったのは、筑波山神社大鳥居前にある「釜炊きおにぎり 筑波山縁むすび」(つくば市筑波1223-8)の味噌汁でした。そのときはそれが井上糀店の味噌だとは知りませんでしたが、後につくば中央公園で毎月開催されている、“背景までおいしい、つくばのマーケット”「つくいち」で、それが老舗糀店の味噌なのだと知りました。

 

井上糀店の味噌は、米糀を使用した天然醸造の米糀味噌。3~6カ月ほど寝かせた「半熟成」と、6~12カ月寝かせた「熟成」の2種類があります。

 

そして、もう一つの商品が乾燥ではない、生の糀(こうじ)。
スポーツをしている息子のために良質なたんぱく質を摂取できる鶏のむね肉料理をよく作るのですが、むね肉は食感がパサパサしてしまうのが難点。しかし、むね肉を塩麹に漬けてから調理すると、風味豊かにとても柔らかくなるんです。

そんな塩麹を、井上糀店の生糀を使って自分で作ってみたところオンリーワンのわが家だけの調味料に☆生糀は朝食のシリアルに入れてもおいしいんですよ。

 

 

北条の店では、500gパックのほかに、樽でも味噌を販売しています。

こちらは2.8キロの熟成味噌。

熟成味噌は、旨味が凝縮された濃厚な味わいで、味噌本来の芳醇な香りを楽しめます。味噌汁はもちろん、麻婆豆腐といった料理にも合いますが、特派員は焼きおにぎりにして息子のお弁当に持たせており、すごくおいしい!と好評です。

半熟成味噌は、熟成味噌に比べて色が薄くて若干甘め。糀の粒が残っているため、フルーティーな糀の香りを楽しむことができます。特派員は甘党なのでこの半熟成味噌を溶いた味噌汁が大好物。好みは人それぞれですが、半熟成は西日本出身の人にも人気があるそうですよ。

 

 

井上糀店の糀の作り方は、麹蓋(こうじぶた)と呼ばれる木箱を使った、100年以上変わらない伝統製法。

 

まず、北条・小田地区周辺で生産された筑波山麓米を、一晩水に浸けた後に蒸し、荒熱を取ってから麹菌をまんべんなくかけていきます。そして大体丸一日寝かせた後、この木箱に入れ、湿度100%の麹室で木箱に藁を掛けて湿度調整をしつつ、箱の位置を積みかえながら仕上がりを見守ります。

 

一般的な糀が機械で管理、製造されているのに対し、手作業で行う作業は多大な労力と熟練の技を必要としますが、一箱一箱、人の手を入れることによって機械では判別できない部分まで調整することができるのだそう。こうして手間暇をかけて出来上がった米糀を蒸した大豆と混ぜ、発酵させることによって味噌が生まれます。

 

麦で作ったこうじが「麹」と表記されるのに対して、米で作られたこうじが「糀」と表記されるのは、お米の周りにこうじ菌の菌糸が伸び、まるでお米に花が咲いたように見えるからなんだそうですよ(*‘∀‘)

 

 

井上糀店の味噌はこだわりの青森県産の大豆を使用して作られていますが、地元北条産の大豆を使って作られたものもあり、昨年10月、この味噌が「筑波山地域ジオブランド認定商品」になりました。味はまろやかで、甘みとコクを感じます。

 

出来上がった味噌の販売はもちろん、井上糀店ではお米を5升(約7.5キロ)から預かって、糀や味噌にするという委託加工のサービスも行っているとのこと。パックで購入するよりもお得で、中には40年近くずっと委託を続けている常連さんもいるのだとか。8割は個人のお客さんからの委託で、親戚に小分けして配るという人もいれば、そうして味噌をもらった人が「おいしかったから」と今度は自ら注文しにきてくれることもあるそうですよ。

 

 

井上糀店7代目の若き代表、井上祐也さん。

幼い頃から、祖父母が糀作りに勤しむ様子を近くで見て育ちましたが、自身が次男であることから一度は都内で就職。その後、6代目が体調を崩したのをきっかけに「商品を楽しみにしてくれている人がいるのだから親父の代で店をなくすわけにはいかない」と、跡を継ぐことを決めました。現在は、長年米糀と味噌作りに携わってきたお母さまとともに、若い世代にも味噌の魅力を知ってもらいたいと日々奮闘しています。

 

地域によって作り方が違う日本の伝統食、味噌。間違いのない素材を使い、昔ながらの製法を続けているからこそ、受け継がれた伝統の味―。

その文化を絶やすことなく伝えていくこと、そして生まれ育ったこの北条の町からそれを発信し続けていくこと。お客さんには、願わくばぜひ一度この北条の町を訪れ、地域を散策しながらおみやげにご賞味いただければと、微笑む裕也さんでした。

 

井上糀店の味噌は同じ北条にある「iriai tempo」(つくば市北条145)や「あんだ堂」(つくば市北条5038-2)でも購入できるとのこと。北条の町が大好きな特派員とばったり会ったときには声を掛けてくださいね(^_-) 以上、つくスタ特派員TAKAKOのレポートでお伝えしました♪

 

【井上糀店】
 https://inouekoujitenn.business.site/
 茨城県つくば市北条176
 営業時間:9:00-17:00、水曜・日曜 9:00-15:00
 TEL:029-867-2021
 ※不定休のため、ご来店の際はお電話ください。

 

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