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筑波山麓でこだわりのワインを造る「Bee’s Knees Vineyards」

つくばスタイル特派員 しらゆき Blog 
2020年12月11日

みなさん、こんにちは。つくばスタイル特派員のしらゆきです。

 

2017年に「つくばワイン・フルーツ酒特区」に認定され、市内全域でワイン造りがしやすい環境となったつくば市。つくばでワイン用ブドウの栽培を新たに始める方も増え、最近はテレビ番組などメディアで取り上げられるなど少しずつその知名度を上げています。

 

2015年から筑波山の麓でワイン用のブドウを育てワイン造りに情熱を傾ける「Bee’s Knees Vineyards(ビーズニーズヴィンヤーズ  )」の代表である今村ことよさんを訪ね、お話を伺いました。

 

 

守谷市出身で筑波大学にて生物学を学んだ今村さん。大学院卒業後は都内にある製薬会社の研究員として働く傍ら、ワイン好きが高じてソムリエ試験と同等の難易度と言われる「日本ソムリエ協会ワインエキスパート」の資格を取得します。仕事の合間を縫って月に数回通った長野県東御市にあるワイナリー「株式会社リュードヴァン」にてブドウ栽培からワイン醸造までの過程を見ることで、それらが生物学と密接に関わっていることを知り、この道に進むことを決意。この時ご主人に相談すると「やりたいことがあるなら、やればいい」と力強く背中を押してもらったのだとか。そして40歳のときに会社を辞め、同ワイナリーで一年半をかけて栽培・醸造を本格的に学んだ後、2015年に筑波山の麓で 「Bee’s Knees Vineyards」を開園しました。

 

現在は筑波山の麓にある六所地区とそこから車で5分ほど離れた場所にある沼田地区に、合わせて1.5ヘクタールもの広さのブドウ畑をほぼ一人で管理しています。赤ワインの原料となる黒ブドウの品種は主にシラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、タナ、プティ・ヴェルドなど、白ワインの品種はシャルドネ、セミヨン、ヴィオニエ、ヴェルデーリョなどを、農薬の使用を最小限にとどめて栽培しています。

 

 

名峰筑波山の稜線をすぐ間近に見るロケーションにある二つの畑。取材に訪れたこの日は天気が朝から良かったせいか、その姿がはっきりと見えました。「筑波山が見えるとなんだか安心します」とほほ笑む今村さん。「生まれ育った守谷から小さく見えた筑波山が、学生時代は筑波大のキャンパスで、そして今はその麓で…とだんだん私が筑波山に近付いて、今やこんなに大きく見える場所まできました」

 

 

その筑波山の麓に広がる花崗岩が風化してできた土壌は、世界的に有名なワインの産地であるフランスの北部ローヌやイタリアのサルディーニャ島と同様に、水はけがよくミネラルが豊富というワイン造りに適した土地と言えます。つくばでワイン用ブドウの栽培をしたらどんな味わいのものができるのだろう——。そんな思いからスタートしたBee’s Knees Vineyards。多くの日本産ワインは、日本の雨が多い気候のせいで”優しい味わい”と言われる一方、今村さんのワインは”日本産ワインらしさを感じさせない”と評されるのは「筑波山の花崗岩の恵みのおかげでしょうか」と今村さんは語ります。

 

 

常磐自動車道を使って都心から1時間程度でアクセスできる場所にありながら、豊かな自然に囲まれたブドウ畑。春から夏にかけては青々とした葉を茂らせ、筑波山を背景にして豊穣の大地の恵みを受けたブドウの木が1メートルほどの等間隔でずらりと並びます。東西に吹く風の流れに沿って畝を設けることで風通しをよくすると同時に、南を向いた畝全体に十分に日が当たります。 

 

2015年からボランティアの方と共に植樹したブドウの苗木は約4000本。今は大きく成長したブドウの木の根本を見せてもらうと、接ぎ木が施されていることが分かります。根本の台木はフィロキセラという害虫に耐性のあるアメリカ系で、上の穂木の部分はヨーロッパ系です。かつてフランスのワイン業界に壊滅的な被害を与えたフィロキセラですが、この接ぎ木をすることによって克服できたのだとか。ワイン用ブドウが接ぎ木で生育していることはあまり知られていないのではないでしょうか。

 

 

ブドウ畑での日々の作業は多岐にわたります。冬場の「剪定」、萌芽後に不要な芽を取り去る「芽かき」、樹形を整える「誘引」、収量調節のための「摘房」、風通しを良くし果実に当たる光量をコントロールする「除葉」など、良質なブドウがたくさん収穫できるのは地道な作業の賜物。夏場は一面に伸びた雑草を刈り取るために、ブドウの木の手入れと同じくらいの時間を草刈りに費やすというから驚きです。

 

ブドウの栽培には今村さんが学生時代に学んできた生物学の知識がとても重要で、その他にも病害虫や農薬、土壌の知識も必要です。さらに醸造となれば、酵母など微生物についての知識にまで及びます。「畑で作業をしながら、ブドウの植物生理や土壌微生物のことを考えるのが何よりも楽しい」と今村さんは研究者としての顔も覗かせます。

 

 

毎年8月中旬から10月まで約2カ月かけて行う収穫はボランティアを募って作業をしています。 今年はコロナ禍で大々的な募集はしなかったものの、例年はつくば近郊からはもちろん東京や神奈川など遠方から参加する方が多いのだそう。  収穫量は年々増え、2017年の初リリース時は1トンの収穫量でしたが、6年目を迎えた今年はなんと3.6トン。今年は幸いなことに収穫期の天候に恵まれ、しっかりした味わいのブドウが収穫できたのだそう。

 

醸造は初めの2年(2016年、2017年)は今村さんの研修先だった「リュードヴァン」で、そしてその次の2年(2018年、2019年)は長野県にある「マザーバインズ」で、そして今年はつくば市に隣接する牛久市に新しく立ち上がったビールとワインの醸造所「麦と葡萄」に依頼。これでまさしく“茨城県産のワイン”の誕生ですが、リリースは春先になるそうで今から待ち遠しい!

 

 

ワインはブドウの出来7割、醸造3割で決まると話す今村さん。“ブドウの良さを損なわないように、前年度以上のクオリティのものを毎年作り出していきたい”というのが今村さんのワイン醸造への思いです。同じブドウでも醸す人の性格によって味わいが全く異なってくるというワイン造り。細かな工程が多いからこそ、手順のひとつひとつがワインの出来に影響を及ぼすのだとか。

 

今から約2年後の2022年に六所地区のブドウ畑のすぐ隣に醸造所を建設予定。 直訳すれば“蜂の膝”ですが、“一流の”や“最高の”という意味を持つ造語「Bee’s Knees」の言葉のように、この地でどんな”最高の”ワインが醸されるのか今から楽しみです。

 

以上しらゆきがお届けしました。

 

【Bee’s Knees Vineyards(ビーズニーズヴィンヤーズ)】

 所在地 茨城県つくば市神郡2565
 https://ja-jp.facebook.com/BeesKneesVineyards/

※Bee’s Knees Vineyardsのワインは直販のオンラインショップの他、つくば市内では「地酒専門店 スドウ酒店」と「地酒本舗 美酒堂」(研究学園店、イーアスつくば店、イオンつくば店)で購入できます。

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