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「ハマグリが食べたい」

いとう Blog
  • 2010年03月31日11:01
  • |キャンパスライフ
  • |ショッピング・グルメ

「はまぐりが食べたい。」
『お、いいね。じゃぁ9時に迎えに行くから。』

と、互いに一言電話でやりとりを終えたあと、
すぐに身支度をして、
インターネットで検索をしていると友人が到着。

地図に大まかな目的地を書き込んでから、
二人で車に乗り込みました。

とりあえず東を目指して
つくばの市街地を過ぎて
畑を通って林を抜けて
亀城公園の手前を走って
それから霞ヶ浦へ。
そしてまた東へ。

BGMは友人のMP3プレイヤーの曲がランダム再生されていて、
ジャンルの違う曲が次々と流れていく間に、
たまに車窓からの風景や友人と話す会話の内容と曲の感じがぴったりとはまって
なんとも心地いいもんです。

そんな偶然の一致に浸っていると、
僕らの乗った車は霞ヶ浦にある橋に着きました。
その橋は車との隙間が左右10センチあるかないかくらいの狭い橋で、
ぶつけないようにそろりそろりと進んでいきました。

のんきな小旅行に突如来る緊張感、
こういった事が冒険気分を盛り上げてくれて、
旅には欠かせないエッセンスです。

それにしてもこの橋。
こんなに狭い橋を作って、
それでいて大橋なんていう名前がついているもんで、

それが僕らには大層おかしくって、
3分ほどその橋の話題で会話が続いちゃいました。
大学生の会話なんて大抵こういうくだらない事ばかりで、
とはいえ、それが結構楽しいわけで、
気がつけばそれだけで一日が過ぎていたなんて言うこともよくあります。

もちろん、そうは言っても、そのうち0.1%くらいは、
僕らにとって精一杯のまじめな話もするわけで(大抵すぐに馬鹿話に戻りますが)、

友人はどうやら半年後に東欧に行くのだそうで、
今はキリル文字を覚えるのに必死だとか、
直行便は高いから中国を経由していくルートを開拓するだとかそんな話をして、

僕は今まで行ってきた研究テーマが一区切りついたんで、
テーマも研究場所もまった区別のものに変えて、
この春から新しく始めるのだとかいった話をして、

お互いがんばりますかね。
などと言っていると、
ようやく鹿嶋灘に着きました。

ハマグリを食べる店は決めていなかったので、
車でどこへ行くともなく走りながら店を探します。
車を運転するのは友人の役目で、
安くてうまい店を探すのは僕の役目。

もちろん、初めての場所なので、
見たこともないし、
どこがうまいだとか、そんなうわさも聞いたことはないのだけれど、

もう何年も美味しいものを探してまわっていると、
大体店の外見の持つ雰囲気で"あたり"がわかるようになってきたので、
その根拠のない勘を頼りに、一軒の店に車を停めました。

店の扉の前に立つと、
生憎定休日の看板が見えて、
引き返そうと思ったけれど、

中から店主らしき初老の男性がでてきたので、
すかさず交渉開始。

するとどうやら仕込みのある料理は出せないけれども、
貝を焼くくらいだったら食べていってもいい、とのことなので、
お邪魔することにしました。
ラッキーですね、これはラッキー。

こうやって現地の人にお話かけて交流するのも、
旅の醍醐味。

住む場所や働く職種も違う人、しかも見ず知らずの人と話すなんて、
普段はなかなか出来ないことですが、

旅の恥はかきすて、と言う意識があるからか、
普段より少し大胆になって話しかけてみて、
それをきっかけに色々と興味深い話が聞けちゃって、
それもまた良い思い出になるってもんです。


そうやってべらべらと喋っていると、
女将さんらしき人がハマグリやホッキ貝を持ってきて下って、
網の上で焼き始めました。

するとなんですか、
貝がこれまた大きなもので、
ゆうに10センチは軽く越す程じゃぁないですか。

これには僕も友人もびっくり。
二人ともこんなに大きな貝を食べたことなんてなかったので、
この迫力を目の当たりにして、
自然と味への期待も膨らみました。

しばらくすると貝の口が開いてきて、
女将さんはそこにすかさずトングを突っ込み、
華麗に貝を開きます。
その技、まさに見事なもので、
これにも僕と友人はびっくり。

こんなにさっきから何度も驚いていると、
いざ貝を食べる頃には驚き疲れて
リアクションがなにも起こらないんじゃないかと心配になりましたが、
そんな不安はどこへやら、

いざ食べてみると二人とも思わず目尻が下がっていい笑顔。
貝が大きすぎて飲み込むまでしばらく何もしゃべれませんでしたが、
喉を過ぎて口が自由になったら二人とも旨い旨いと連呼するばかり。
ついつい次の貝に箸がのびてしまいます。

なんて言うんでしょうね、このうまさ。
上手な例えが浮かばないのがお恥ずかしいですが、
貝の自然本来の旨さを海水の塩分が引き立てて、
そこにちょっとだけかけたタレが上手いこと花を添えるんですよ。
この組み合わせと絶妙な比率のなせる技、
まさに味の芸術です。

気がつけば皿の上には貝の殻がこんもり。
あぁ。お腹いっぱい。
締めの上がりをちびりちびりとすすれば、
至福の時ともお別れです。

えも言われぬ満足感と引き替えに、
財布の中身を寂しくさせて店を出ました。
これで後は家路につくばかり。

ただハマグリを食べるだけ、
という旅でしたが、
その中にも色々と面白い物があって、
なんとも良い日でした。

みなさんもちょっと時間が出来たらこんな小旅行はいかがでしょうか。
美味しいですし、
楽しいですよ。

それでは、今回はこの辺で。

<文責:伊藤>


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